上野『Lilith』白鳥つばささん

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白鳥つばさ。

この名前から想像するのはひらひらのレースがついたデコラティブなドレスが似合う実にお嬢様然としたハイクラスなセラピストだろうか?

まあ、この源氏名で銀座か麻布当たりの店に在籍していたらそうしたタイプなのかも知れないが、ここは上野である。

様々なジャンルが渾然一体として存在している、雑然として庶民的であり、古き良き東京の文化的な活気を感じさせる「アメ横」がある、あの上野にあるメンエスなのだ。東京から地方へ、地方から東京へと出入りする上でもその中継地点としての印象は未だに強く、中野や秋葉原とはまた違った、古くからの伝統を感じさせる絶妙なサブカル感とアングラ感が上野にはある。

となれば、白鳥つばさという名前もグッと芸能的なニュアンス、何ともたくましい作り込んだキャラクター性を感じさせるではないか。Twitterで見てみても随分とノリノリな感じだから、メンエスにおける自分の世界観や表現を強烈にアピールしてくるタイプのロール・プレイ型セラピストかなと勝手に想像を膨らませていた。

そして、今日実際にお逢いしてみた訳であるが、圧倒的な個性という意味では想像通り、否想像以上であったが、そこには少しも作り込んだキャラクター性だとか作為めいた虚構性は存在していなかった。実に伸び伸びとして自然体であり、自分の興味や関心を野放図なまでに解放させて毎日を送っているのだという生き生きとした若々しいバイタリティが本当に魅力的な女の子だ。普段は他県で普通にOLをしていて、週末だけこちらにメンエスをやりに来るというのだから、そのやる気やエネルギーはホンモノだ。

白鳥と言われるとちょっと後ろに()と付けたくなるが、つばさだと言われればなるほどその羽をバッサバッサと自在に羽ばたかせて、ときにはケラケラと笑いながら好きなところに飛んで行きそうな彼女には実にピッタリの名前だという感じがする。


そう、つばさちゃんは実に好き勝手に、そして本当に楽しそうに笑う。

実にあっけらかんとして、エロ話が好きな男友達のように次々と下ネタを放り込んで僕を閉口させもするが、それと並行して、いま自分で興味を持って勉強しているという実に専門的な人体のメカニズムに関する知識を会話の中にポンポン放り込んできたりするのだからそのアンバランスで絶妙なバランス感は彼女ならではの稀有な持ち味だ。

こう書くと、やたらと自分のペースで進めたがる自分本位なタイプに思われるかも知れないが、全くそうではない。こちらの意向や希望をしっかりと受け止めた上で、それでも尚彼女自身も楽しむ姿勢を失わないからこそ、次々と話を転がして、ついつい癒しというよりはむしろ賑やかにその時間を盛り上げてしまうということなのだろう。こんな感じだから、いわゆる僕がメンエスのセラピストに求める像とは大凡かけ離れたタイプではあるのだが、彼女の寄り添ってくれる優しい気持ちは僕を十分以上に楽しませてくれた。

前回、ももちゃんに会ったときには事ある毎に「可愛い、可愛い」を連呼しまくっていた私であるが、今日は7:3位の割合で「面白い、君、本当に面白い」とそのキャラ立ちしまくった個性に感心しきりの時間であった。あんまり元気一杯に話してくれるものだから、メンエスならではのほんわかとした緩やかな時間もほんのりと甘い恋人のような時間もいま何処という感じで、それを薫らせるような気配すらなかったのであるが、それでも「また逢いたい、うん、この子とは友だちになれるんじゃない?」と思わせるだけのタレント性がつばさちゃんにはある。だから、メンエス界に纏わり付くように存在する何とも知れず鬱々とした黒い影が彼女からは微塵も感じられず、「やっぱりグレー」という社会的なレッテルからはなかなか逃れられないものの、彼女自身からは生きていくために頑張ってやっておりますというような普通には容易に拭い去り難いお仕事感はほとんど感じられない。だから、「どうしてこの仕事やってるの?」というよくある質問は敢えてするまでもないと思ったが、一応尋ねてみたところ、予想通り、「あっ、コレは楽しいから」という実にシンプルで気持ちの良い答えが返ってきた。

続いて、普段逢えない色んな人に逢える楽しさ、いつか叶えたい夢があって勉強しているという人体についての生理学的、解剖学的な知識がすぐ目の前のお客さんの肉体にもダイレクトに当てはめられる面白さについても目を輝かせて語ってくれた。そこには明るく前向きなエネルギー以外の何物も感じられない。

つまり、メンエスは色々学んで考えてやったらめちゃくちゃ楽しくてやり甲斐のある仕事なのだということを彼女はもう既に知っているということだ。


という訳で、メンエス界きっての理論派ブロガーを自負している僕にとって、つばさちゃんとの時間が自身の施術アイディアの紹介やそれを彼女に実践して貰える楽しみで一杯の時間となったのは実に当然の成り行きだったと思う。こうして、実際に施術して貰ってはもっとこうしたら良いとか、この順番の方が良いなどと僕の解説や分析を披露していたので、序盤、ノリノリのテンションとは裏腹に妙に恥じらってぎこちなさを感じさせた彼女だったが、終盤に近づくと自分なりにどんどんアレンジを加えて、実に気持ちの良いマッサージを作り上げてくれた。施術毎に僕がアドバイスや解説を加えると、それをすぐに自分の既存の知識や言葉に置き換えて理解を深める彼女のクレバーさは実に驚くばかりであったし、目が開かれたというように楽しんで施術してくれる感じはまたメンエスを愛する同志を新たに得られたというような嬉しさがあった。身体全体の柔軟性やそれを支える体幹のバランスの取り方はまだまだ発展途上であるが、賢くてマッサージの勘の良いつばさちゃんのこと、近いうちによりスムーズで完成度の高い施術の実現が大いに期待できそうだ。


「あんまりにも元気過ぎて、ちょっと癒しって感じじゃないんだよなあ」と途中生意気な考えが何度か頭をよぎった私だったが、終わってみると随分スッキリとした気分で元気になっている現在の自分に少し驚いている。

一緒に過ごした時間、知らないうちにつばさちゃんのあの底抜けにポジティブなエネルギーをたっぷり吸収できたからなのかも知れない。

癒し以上に元気を与えてくれるセラピストも良いものですね。